日経新聞
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■要約
シーメンスやダイムラー、ボッシュなど、ドイツを代表する企業が連合し、ものづくりを根底から変えようとしている。
劇的な生産性向上と省エネルギーを実現し、猛追する新興国を引き離して、生産拠点としての強さを固める
4月上旬。独北部ハノーバーで開かれた世界最大級の産業見本市で人だかりを集めたのは、
重電大手シーメンスが展示した次世代の自動車生産ラインだ。
見た目はどの自動車工場にもある組み立てラインだが、ものづくりの発想が全く違う。
車体にはICタグが埋め込まれ、型式や必要部品、組み立て手順などの情報が記録してある。
そのICタグの情報をロボットが読み取り、指示を聞いて動く。
従来の工場では作業ミスを起こす可能性があった場合も、データを付き合わせ、間違いなく作業できる。
品質と低コストの両立には大量生産が必要というのが従来の常識。
だが、このシステムが実用化されれば多品種少量の製品を量産品並みのコストでつくる道が開ける。
シーメンスの展示はドイツが製造業の高度化をめざし、国を挙げて推進する「インダストリー4.0」を具現化したものだ。
将来的な目標は極めて野心的だ。ドイツ中にある生産設備、製品、部品、素材のひとつひとつに
IDを割り当ててインターネットでつなぎ、ドイツ国内を「ひとつの仮想工場」に見立てることで、資源の全体最適を実現しようというのだ。
独フラウンホーファー研究機構などは2025年までに国内で少なくとも787億7千万ユーロ(約11兆1千億円)の経済効果があると試算する。
■補足
シーメンス:
ドイツのバイエルン州ミュンヘンに本社を置く多国籍企業。
もともと電信、電車、電子機器の製造会社から発展し、現在では情報通信、電力関連、交通、医療、防衛、生産設備、家電製品等の分野で
製造、およびシステム・ソリューション事業を幅広く手がける複合企業である。
[補足記事:「ものづくり大国」 危機感]
「インダストリー4.0」はドイツ国内で「第4次産業革命」とも呼ばれる。
蒸気機関と水力による工場制機械工業が幕を開けた第1次、電力を活用した大量生産と分業体制が可能になった第2次、
電子技術などを使った生産設備の自動化が一気に進んだ第3次。さらなる革命を進める背景に強い危機感がある。
先進国で国内総生産(GDP)に占める製造業の比率が2割以上を保っているのはドイツと日本など一部。
ところが近年はドイツでも企業の大型投資は国外に向かう。ドイツは人件費が高いうえ、エネルギー価格の上昇も顕著。
欧州の「勝ち組」も悩みは大きい。
「従来のものづくりでは中国などアジア企業などが追いつくのは時間の問題。アジア勢が全く追いつけない別次元のアプローチを考えてきた」。
独機械工業連盟(VDMA)は「4.0」の目的を説明する。